ピアニストのばね指治療③|世田谷区はる整骨院/整体院ブログ
今回の世田谷区はる整骨院/整体院のブログは、前回に予告した通りにバネ指に対して手術をした場合についてです。
ピアニスト/音楽家の方が手術療法を選択した際の長所/短所がわかりやすく解説できればと思います。
ばね指治療で手術をピアニスト(演奏家)が選択したケース
こちらでもケースにわけてみていきたいと思います。
- ばね指の手術後に快調そのもの!
- 手術後しばらくはよかったが再発した!
- 手術後に指の動きが悪くなった!
- ばね指の手術後に手や指の痺れ・違和感がでた!
それでは各々を見ていきましょう。
1)手術後に快調そのもの!
ばね指で行われる外科手術は腱鞘切開手術です。
直視下切開手術と皮下腱鞘切開手術が存在します。
前者は大きく皮膚にメスを入れてドクターが実際に目で確認できる状況で手術を硬くなった腱鞘へ行います。
後者である皮下腱鞘切開手術は特殊なナイフを用いて名前の通りに皮膚の下で行います。
低侵襲で皮膚の切開はわずか数ミリで傷が目立ちにくいです。
皮下腱鞘切開手術のメリットは早期から指を動かせることです。
他にも内視鏡(関節鏡)によるばね指の手術も行われています。
こちらも皮膚をあまり切開しないため早期に指を使うことが可能です。
腱鞘のみにばね現象を誘発する原因があった場合には手術後は快調そのものです。
後述しますがそれぞれの手術法にメリット/デメリットがあります。
手術自体には必ず後遺症のリスクがあります。
2)手術後しばらくはよかったが再発した!
手術後のばね指の再発率は決して高くありません。
ネットで記事を読んでいると手術後も再発すると書いている整骨院/治療院さんは多いです。
手術を受けた患者さん自身も再発したと言う方は意外に多いのです。
ですが医科の論文などを覗いてみると、そうでもありません。
透析患者さんなどのアミロイド沈着など特殊なケースを覗いて腱鞘を切開すると再発率は低いです。
ですが指の悪い使い方、例えば前腕優位な弾き方や演奏に限らずに握力が必要な手作業を多くしている場合には再発の危険性が高くなります。
もう一つ再発と勘違いされるケースがあります。
バネ指は多数の指に発症するという特徴があります。
切開したのとは違う指や同じ指でも違う関節(初発とは違う第〇関節)でばね指が起こったことを再発と思っている方が多いのかもしれません。
3)手術後に指の動きが悪くなった!
手術で切開することになる線維性腱鞘はもともと指の運動効率を上げるために必要なものです。
腱の走行を変化させ強く巧みに動かすために存在しています。
ですので、それを切開してしまえば当然ですが指の機能はある程度は減少します。
これには個人差があります、気にならないレベルのこともあれば、演奏に支障が出る場合もあります。
握力も低下します。(指は5本あるので一般的な握力測定ではわかりませんが、単独の指を曲げる力は弱くなります)
他にも内視鏡によるばね指手術では滑膜性腱鞘(指の腱の滑りをサポートする組織)が損傷され指の動きが悪くなる場合があります。
4)手術後に痺れがでた!手の感覚がおかしくなった!
ばね指の手術後に痺れが出るケースは思いのほか多いようです。
Drの学会発表などを覗いてみるとばらつきはありますが5%~10%ほどの確率だとされています。
酷い場合はお箸が握れないなどの報告も散見されます。
低侵襲である皮下腱鞘切開手術や内視鏡によるばね指手術での発生確率が高いという事にも一考の余地があります。。
直視下切開手術では大きな傷が目立ち、元通りに使えるまでに抜糸などの問題もあり時間がかかります。
そのため皮下腱鞘切開術や内視鏡による手術が多くなっています。
ですが、昔ながらの大きく皮膚を切開した場合のほうが、手術後後遺症は最も少ないと報告されています。
※これに関しては手術を行うドクターの練度に大きく影響されていると思われます。
無責任なことも書けないので、国内外の信用度の高い情報を集めました。
思っていた以上に手術のリスクがあることに驚きました。
10~20人に1人は手術後後遺症がおこる…
ピアニストなどの指が商売道具の音楽家に手術療法が第一選択にはならないのも頷けます…
手術をするDrの腕にも病院の設備にもかなり左右されるため勢いで手術を決定するのは止めておいたほうがいいと思われます。
手術療法が非常に効果的な治療法であることは、改めて調べなおすと再確認できました。
ですが、事前に手術をしてくれる先生については調査が必要そうです。
次回の世田谷区豪徳寺はる整骨院/整体院のブログは
バネ指治療に非観血的療法(手術以外の治療法/保存療法)をピアニストが選択したケース
です。
不定期更新ですので気長にお待ちくださいm(__)m